底地は物納できる?
相続税が払えないときの要件と手続き
更新日:2026/10/16
底地の物納のポイント(結論)
- 物納できる条件:延納(分割払い)でも現金で払えない場合に、その払えない金額を限度として認められます。預貯金がある場合は原則として認められません(要件を見る)。
- 底地も物納できる:底地は第1順位の「不動産」です。ただし、境界が確定していない、借地人が不明、地代の滞納や争いがあるなどの場合は「管理処分不適格財産」として認められません。
- 評価額で納められる:物納の収納価額は原則として相続税評価額です。売ると評価額より安くなりやすい底地では、売却より有利になることもあります。
- 期限:相続税の申告期限(10か月以内)までに申請書と書類を提出します。審査は原則3か月(最長9か月)です(手続きを見る)。
- 難しいときの選択肢:借地人への売却、専門会社への売却、相続前の整理なども検討しましょう(選択肢を見る)。
借地権相談所のピピッチです。
今回は、「相続税が払えないときの底地の物納」について話していくよ。
「相続税を現金で払えない」
「底地を売っても納税額に足りないかもしれない」
「物納という方法があると聞いたけど、使えるの?」
と悩む方も多いです。
今回は、物納の仕組み・要件・手続き・メリットデメリット、そして物納以外の選択肢まで、順番に確認していこう。
まずは「物納とは何か」から見ていくよ。
不動産を所有することは一般的な相続税対策のひとつですが、底地については注意が必要です。
底地の場合、実際の売買価格よりも評価額のほうが高くなることが多く、ということが起ってしまいます。
が、まとまったお金を用意できないということもあるでしょう。
どうしても
この記事では底地の物納の方法とポイントについて解説します。まずは基本的な知識として参考にしていただければと思います。
ただし、底地の物納は無条件で行えるわけでなく、様々な要件を満たす必要があります。
実際は底地の物納は難易度が高く、売却をするほうがスムーズな場合が多いです。
ご不明な点は借地権相談所までご相談ください。
目次〔開く〕
底地の物納とは?相続税を物納する方法
具体的にどういう仕組みか、気になる?
相続財産の多くが不動産だと、評価額に応じた相続税を現金で用意するのが難しい場合があるよね。
そんなとき、底地で納税できる可能性があるのが「物納」なんだ。
ただし、物納には様々な条件があるよ。詳しくは下の解説を読んでみてね。
「払えないから底地で納めます」と簡単にできるかどうか、次のセクションで要件をしっかり確認してみてね。
相続が発生した際、相続人は相続税を支払う必要があります。
相続した資産が現金であればそのまま相続税の支払いに充当することが出来ますが、相続した資産が土地や建物などの不動産である場合、その評価額に応じた相続税を現金で支払う必要があります。
そのため、相続人に十分な現金の用意がない場合は支払いが難しくなってしまいます。
そんなときのために、があります。
物納とは財産による納税方法
です。
延納とは納付期限を延長することで、利子が発生します。
になります。
物納できる財産は相続によって取得した財産のみです。
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物納に適用可能な資産とその優先度
物納できる財産には優先順位があって、さらに「国が管理・処分しやすいか」がとても重要になるんだ。
でも、底地だから必ず物納できるわけじゃないんだ。
具体的にどんな条件があるかは、下の解説で確認してみてね。
「物納劣後財産」という考え方もあるから、詳しくは下の解説を見てみてね。
物納には適用可能な資産が定められています。
また、適用可能な資産の中でも優先度が決められており、すべての資産が同等に扱われるわけではありません。
物納財産にも優先度がある
税務署が資産を容易に流動化(現金化)できるものを優先的に受け入れるために、物納できる財産には優先度が存在し、第1順位〜第3順位に分かれています。 詳細は下記のとおりです。
物納劣後財産とは
です。
一定の制限があり、自由に処分したりができず流動性が悪い財産のことを指します。
主に法令に違反して建築された建物やその敷地、地上権・地役権・耕作目的の賃借権などが設定された土地、建築基準法の道路に2m以上接していない土地などが該当します。
なお、個別の判断は税務署に確認しましょう。
引用:国税庁HP「物納劣後財産とは、どういうものでしょうか。(問14)」
管理処分不適格財産とはどういったものがあるのか
です。
例えば、以下のようなものが該当します。
底地の場合は、が特に重要です。物納の申請では、申請前3か月分の地代の領収書の写しや、借地人ごとの面積・境界を示した実測図なども求められます。
これらの財産は、物納の対象として認められる可能性が低いので、注意が必要です。
底地を物納として用いる条件と難易度
底地を物納するのは様々な条件を満たす必要があり、難易度は高いとされています。
基本的に現金で納付してほしい税務署は、預貯金がある場合、物納は認めてもらえません。分割であれば払える金額と判断されてしまうことが多く、難易度が高いのです。
底地に関する物納手続き
底地の場合は特に、土地に関する書類だけでなく、借地人さんとの契約関係の書類も必要になるんだ。
具体的な一覧は下の表で確認してみてね。
準備に時間がかかるから、早めのスタートが大切なんだ。
審査中に追加書類を求められることもあるから、早めの準備がとても大切だよ。
物納申請は相続開始から10ヶ月以内という期限があります。早めに流れを把握しておきましょう。
STEP 4 の申請期限(10ヶ月)を過ぎると物納申請はできません。
書類の準備に時間がかかるため、相続開始後すぐに専門家へ相談することが重要です。
物納に関する手続きには期限があります。必要な書類はかなり多いため、事前に確認をし、早めに準備するようにしましょう。
物納に必要な手続き書類一覧
下記は物納の手続きに必要な書類の一覧です。
具体的なケースによって異なる場合がありますので、事前に税務署に確認することをおすすめします。
- ●物納申請書(各種確約書を含む)
- ●金銭納付を困難とする理由書
- ●物納財産目録
- ●小規模宅地等を分割して物納に充てることの確認書
- ●被相続人と共有していた不動産に関する確認書
- ●物納劣後財産等を物納に充てる理由書
- ●住宅地図等の写し ※
- ●公図の写し
- ●登記事項証明書
- ●地積測量図
- ●境界線に関する確認書
- ●境界線に関する確認書(道水路)
- ●電柱の設置に係る契約書の写し
- ●土地上の工作物等の図面 ※
- ●土地上の建物・工作物等の配置図 ※
- ●土地の維持・管理費用の明細書
- ●通行承諾書
- ●工作物等の越境の是正に関する確約書
- ●越境の状況を示した図面
- ●建物等の撤去及び使用料の負担等を求めない旨の確約書
- ●越境の状況を示した図面
- ●登記事項証明書(底地上の建物)
- ●土地賃貸借契約書の写し
- ●賃借地の境界に関する確認書
- ●賃借人ごとの賃借地の面積及び境界を確認できる実測図等
- ●物納申請前3か月間の賃借料(地代)の領収書の写し
- ●賃借料の領収書等の提出に関する確約書
- ●敷金等に関する確認書
- ●借地権の使用貸借に関する確認書
- ●相続人代表借地権者確約書
「※」が記載されているものは、提出書類としての規定はありませんが、物納許可又は財産の管理処分上有用なものであることから、提出をしたほうがよいとされています。
物納の認可までの審査期間
物納申請書が提出された場合、税務署長は、その物納申請に係る要件の調査結果に基づいて、物納申請期限から3か月以内に許可または却下を行います。
なお、申請財産の状況によっては、許可または却下までの期間を最長で9か月まで延長する場合があります。
物納手続関係書類が申請期限までにそろわない場合は、届出をすれば1回につき3か月、最長1年まで提出期限を延長できます(延長した期間は利子税がかかります)。
物納のメリットデメリット
ただし、デメリットも見逃せないよ。どんな点が注意が必要か、考えてみた?
物納が本当に自分の状況に合っているかを判断するうえで大切な情報だよ。
ここまで物納の要件や手続きについて説明してきましたが、ここで物納のメリットとデメリットについて解説します。
物納のメリット
はです。(物納許可限度額まで)
また、物納の収納価額は原則として(小規模宅地等の特例を使った場合は特例適用後の価額)です。底地は売ると相続税評価額より安くなりやすいため、になることがあります。
さらに、というのもメリットといえるでしょう。ただし、物納には申請に関する手間がかなり大きいため売却の手続きのほうが簡単という捉え方もあります。
物納のデメリット
一方でデメリットは、です。申請が却下された場合も、納期限の翌日から却下の日まで利子税がかかります(税務署の審査期間は原則として免除されます)。
そもそも物納が認められるケースは非常に少なく、追加の書類提出や訂正を求められたりなどが最大のデメリットとなっています。
底地の相続税計算方法
計算の仕組み、気になる?
相続税評価額よりも実際の売却価格が低くなることがあるんだ。
具体的な計算式や注意点は、下の解説で確認してみてね。
納税資金を準備するうえでは、相続税評価額と実際の売却見込み額の差を事前に把握しておくことが大切だよ。
します。
相続税額の計算については、他の資産状況にもよるため専門家に相談するようにしましょう。
路線価による評価額の算出方法は次のとおりです。
路線価による相続税計算
路線価は、道路に面している土地の価格を示す指標です。
路線価による更地価格(自用地評価額)に「1 − 借地権割合」を掛けることで底地の評価額を算出できます。
借地権割合とは、土地に対し借地権の割合を示す数値です。国税庁が30~90%(10%刻み)の間で定めており、一般的に価値の高いエリアは高く設定されています。
借地権割合は借地権の割合を表す数値のため、(1-借地権割合)によって底地の割合が算出されます。
よって底地の価格の計算式は以下のとおりです。
底地の評価額 = 自用地評価額(路線価 × 地積)×(1 − 借地権割合)
相続前に底地を整理するアプローチ
どんな方法が考えられると思う?
売却・借地人さんへの打診・専門会社への売却・相続放棄など、状況によって最適な方法は違うよ。
それぞれのメリット・注意点は下の解説で確認してみてね。
「物納できるか知りたい」
「売却したほうがいいのか迷っている」
そんなときは、早めに相談してみてね。
お気軽にご相談ください。
相続税対策は相続が発生する前に行うのが効果的です。についてご紹介します。
物納が難しい底地は売買を考慮
物納は条件が厳しく、手続きが煩雑で手間も多いことから難しいというお話はしてきました。
さらにいえば、です。
テナント(借地人)への売却が望ましい
地代を払わなくて済む、建物の資産価値が上がるなどテナント(借地人)にもメリットがありますので、まず最初に打診してみるのが良いでしょう。
専門の不動産会社による売却
早く現金化したい場合、あるいは借地人に購入を断られた場合は、
短期間で売却できるため、相続発生後など時間がない人には現実的な方法です。
ただし、不動産会社のです。
相続後の売却の場合は、相続税額に満たない可能性がありますので、やはり早めの対応が好ましいです。
相続を放棄する選択肢も
も考えられます。
相続放棄を行うと、資産だけでなく、負債も継承しなくなります。手続きは、相続が始まったことを知った日からに家庭裁判所へ申し立てる必要があり、底地だけを放棄することはできません。
しかし、価値を持つ形見なども放棄の対象となるため、注意が必要です。
相続放棄をすると、相続に関する手間や問題も避けることが可能となります。
底地の物納に関するよくある質問

- 底地で相続税を物納することはできますか?

- できます。底地は物納の第1順位である「不動産」に当たります。ただし、延納(分割払い)でも現金で納付できないことが条件で、境界が確定していない、借地権者が不明、権利に争いがあるなどの「管理処分不適格財産」に当たる底地は物納できません。

- 物納が認められる条件は何ですか?

- 延納によっても金銭で納付することが困難な事由があり、その困難な金額を限度とすること、相続税の課税価格の計算の基礎となった国内の財産であること、管理処分不適格財産に当たらないこと(物納劣後財産の場合は他に適当な財産がないこと)、申請期限までに申請書と書類を提出することが必要です。

- 物納すると底地はいくらで評価されますか?

- 物納の収納価額は、原則として相続税の課税価格の計算の基礎となった価額(相続税評価額)です。小規模宅地等の特例を使った場合は、特例適用後の価額になります。底地は売ると評価額より安くなりやすいため、評価額で納められる点は物納のメリットです。

- 物納の申請期限はいつですか?

- 相続税の納期限(申告期限)までです。相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に、物納申請書と物納手続関係書類を税務署に提出します。書類が間に合わない場合は、届出により1回3か月・最長1年まで提出期限を延長できます。

- 物納の審査にはどのくらいかかりますか?

- 税務署長は、原則として物納申請期限から3か月以内に許可または却下を行います。申請した財産の状況によっては、最長で9か月まで延長される場合があります。

- 物納中に利子税はかかりますか?

- 税務署の審査期間は原則として利子税が免除されますが、書類の提出期限を延長した期間や、書類の補完・訂正を求められた期間などは利子税がかかります。申請が却下された場合も、納期限の翌日から却下の日まで利子税がかかります。

- 底地の物納で特に必要になる書類は何ですか?

- 土地の登記事項証明書や地積測量図、境界の確認書に加えて、底地の場合は土地賃貸借契約書の写し、借地人ごとの面積・境界がわかる実測図、申請前3か月分の地代の領収書の写し、敷金等に関する確認書なども必要です。

- 物納が難しい場合はどうすればいいですか?

- 借地人に底地を買い取ってもらう、底地を専門に扱う不動産会社に売却する、延納を利用するなどの方法があります。相続が起きる前に底地を整理しておくと、納税資金の心配を減らせます。借地権相談所では底地の買取や、税理士と連携したご相談を無料で承っています。
参考資料:国税庁 No.4214 相続税の物納
参考資料:国税庁 物納に当たって、どのような場合に利子税がかかるのでしょうか(問19)
底地の買取は借地権相談所
にお任せください!
『借地権相談所』では、底地の買い取りを積極的に行っています。
底地の売却は相続前がおすすめであることをお伝えしましたが、相続後でも問題ありません。
物納が難しく、相続税が支払えないという方からの相談はこれまでも多く対応させていただきました。
ご不明な点やお話だけでも、という方がいらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせください。ご相談は無料で承っております。
「借地権相談所」は借地権・底地専門として21年の実績がある不動産会社です。
底地の専門家、法律の専門家、そして税金の専門家がタッグを組み、お客様の問題点を正確に把握し、最適な解決策をご提案いたします。
難しい問題は全て丸投げでOKです。
底地についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
底地の物納でお困りの方へ
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底地の物納は条件が厳しく、準備に時間がかかります。
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