地上権とは?
借地権との違いをわかりやすく解説
更新日:2026/10/08
地上権とは(結論)
- 意味:他人の土地に建物や工作物などを所有するために、その土地を使う権利(物権)です。建物を所有する目的の地上権は「借地権」の一種になります。
- 借地権(賃借権)との違い:地上権は地主の承諾なしで売却・転貸でき、地主には登記に協力する義務があり、地上権に抵当権も設定できます。一般的な借地権(賃借権)はどれも地主の承諾や協力が必要です。
- 旧法地上権:1992年8月1日より前に設定された、建物所有目的の地上権です。更新しても旧借地法のルール(堅固建物30年・非堅固建物20年など)が続きます。
- 地代:地上権は無償でも設定できます。地代の有無や金額は契約で決めます。
- 実際の割合:一戸建ての借地で地上権が設定されていることは非常にまれで、ほとんどは賃借権です。土地の登記簿や契約書で確認しましょう。
借地権相談所のピピッチです。
今回は、「地上権」について、できるだけわかりやすく話していくよ。
「地上権」
「賃借権」
「法定地上権」
という言葉が出てくることがあります。
特に地上権は、一般的な借地権で多い「賃借権」とは性質が違うから、売却や買取を考えるときにも確認が必要なんだ。
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目次〔開く〕
地上権とは
ただし、一戸建て住宅の借地権では、地上権が設定されているケースはかなり少なくて、実務上は賃貸借契約による借地権が多いよ。
地上権とは、の事を言います。このうち、は、借地借家法の「借地権」の一種です。
民法では、「地上権者は、他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利を有する」と規定しており(民法265条)、用益物権(他人の土地を利用する権利)の一つです。地上権を持つ人を「地上権者」、土地を貸す側(地主)を「地上権設定者」と呼びます。
建物所有を目的とする借地権は、「地上権」でも「賃借権」でも、次のように存続期間が決まっています。
旧法の場合は堅固建物と非堅固建物での存続期間がさらに変わります。
の存続期間は、更新時における存続期間はとなります。
の存続期間は、更新時における存続期間はとなります。
は存続期間が、更新時における存続期間は、最初の更新で、それ以降であればでの更新となります。
※一戸建て住宅の場合、「地上権」が設定されているケースは非常に稀です。借地権設定のほとんどが「賃貸借」における契約となっております。自身の契約がどちらの契約となっているか、契約書をまず確認してみるのが良いでしょう。
借地権
- 賃借権
- 地上権
建物を所有することを目的とする
地上権者は、第三者へ自由に譲渡したり、
転貸できる点で賃借権と異なる
※借地権のことを俗に「地上権」と呼ぶことがあるが、実務上直面する借地権はほとんど賃借権である場合が多い。
| 旧法 | 新法 | ||
|---|---|---|---|
| 建物構造 | 堅固建物 | 非堅固建物 | 区別なし |
| 存続期間 | 30年以上 | 20年以上 | 30年以上 |
| 更新後の期間 | 30年以上 | 20年以上 | 最初の更新20年以上 2回目の更新10年以上 |
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地上権と借地権(賃借権)の違い|物権と債権
一方、賃借権は地主さんとの契約関係にもとづいて土地を借りる権利なんだ。
地上権の場合は、原則として地主さんの承諾がなくても第三者へ譲渡したり、転貸したりできる。
でも、賃借権の場合は、借地権を売却・譲渡するときに地主さんの承諾が必要になるんだ。
地上権のほうが、借りている側にとっては自由度が高いんだ。
さらに、地上権には地主さんに登記義務があり、地上権に抵当権を設定することもできるよ。
一方、賃借権には地主さんの登記義務はなく、賃借権そのものには抵当権を設定できないんだ。
一般に「借地権」と呼ばれるもののほとんどは賃借権です。地上権と借地権(賃借権)における一番の違いは、物権であるは、借地権を点です。地主様の承諾許可を取る必要がございません。一方、には、譲渡・売却の際にとなります。
→ 詳しくは借地権の売却について
売買の利便性などの面から考えると、地上権と賃借権が設定されている場合では、地上権のほうが地主様に不利(地上権者に有利)であると思われます。
地代については、賃借権では支払いが必須(無償で貸すと「使用貸借」という別の契約になります)ですが、地上権は。実際には地代を定めているケースがほとんどです。
また、地上権を設定した場合は地主に登記に協力する義務があるため、地上権は土地の登記簿(権利部の乙区)に登記されているのが一般的です。
|
地上権
物権 ― より強い権利
|
賃借権
債権 ― 一般的な借地権
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|---|---|---|
| 権利の種類 | 物権 | 債権 |
| 登記 | 地主に登記義務あり | 地主に登記義務なし |
| 売却・譲渡 | 地主の承諾不要 | 地主の承諾が必要 |
| 地代 | 契約による 支払義務なしの場合も | 支払義務あり |
| 抵当権 | 地上権に設定可能 | 建物のみに設定可能 |
| 実務上の頻度 | 非常に稀 | ほとんどがこちら |
旧法地上権と普通地上権(新法)の違い
とは、1992年(平成4年)8月1日に借地借家法が施行される前に設定された、建物の所有を目的とする地上権のことです。旧法地上権には、施行後も。更新しても、自動的に新法に切り替わることはありません。
一方、借地借家法の施行後に設定された地上権は、(更新のある地上権)や、期間満了で終わる定期借地権としての地上権になります。
| 旧法地上権 | 普通地上権(新法) | |
|---|---|---|
| 設定された時期 | 1992年7月31日以前 | 1992年8月1日以降 |
| 当初の存続期間 | 堅固建物30年以上・非堅固建物20年以上 (定めがない場合は60年・30年) | 30年以上(建物の構造による区別なし) |
| 更新後の期間 | 堅固建物30年・非堅固建物20年(これより長い期間の合意も可) | 1回目20年以上・2回目以降10年以上 |
| 建物が朽ちた場合 | 期間の定めがない場合、建物が朽ちると権利が消滅する | 朽ちても権利は消滅しない |
どちらの場合も、地主が更新を拒むにはが必要で、借地人の立場は強く守られています。借地借家法の新旧の違いは「借地借家法とは?旧法と新法の違い」で詳しく解説しています。
建物の所有を目的としない地上権の期間
駐車場や資材置き場、竹木の所有などを目的とする地上権には借地借家法が適用されず、民法のルールになります。期間は契約で自由に決められ、定めがない場合は、当事者の請求により裁判所が20年以上50年以下の範囲で決めます(民法268条)。
地上権の具体例
- 借地上の建物のために設定された地上権(旧法地上権の付いた一戸建てなど)
- 敷地を所有せず、地上権で利用しているマンション(いわゆる「地上権マンション」)
- 地下鉄のトンネルや高架、送電線など、土地の上下の一定の範囲だけに設定する地上権(「区分地上権」と呼ばれます)
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法定地上権とは
これを法定地上権というよ。
主なポイントは、抵当権が設定されたときに、すでにその土地の上に建物があること。
そして、その時点で土地と建物の所有者が同じであること。
その後、競売によって土地と建物の所有者が別々になることだよ。
もともと所有権として土地と建物を同一所有者が所有していた場合に、抵当権の実行により競売などで土地と建物の所有者が別々となったときに民法の規定により地上権が設定されることを法定地上権と言います。
逆を言えば、抵当権が設定された当時に土地と建物が同一所有者ではない場合、抵当権が実行されると法定地上権は認められません。これは、すでに土地と建物の名義が異なる場合には借地権(賃借権及び地上権)が設定されているであろうという見解からです。
また、更地の状態で抵当権を設定し、抵当権の登記後に建物が建ち、土地の抵当権が実行された場合も法定地上権は成立しません。
これは更地の評価で抵当権が設定されているため、抵当権者を保護するために法定地上権が成立しないことになっています。


なお、抵当権が設定されたのが土地でも建物でも、競売によって土地と建物の所有者が別々になれば法定地上権は成立します。
(民法第388条)土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合において、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至ったときは、その建物について、地上権が設定されたものとみなす。この場合において、地代は、当事者の請求により、裁判所が定める。
法定地上権が設定された場合の期間
法定地上権は建物の所有を目的とする借地権にあたるため、借地借家法第3条により期間は30年となります。
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地上権(物権)の買取から
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お任せください
借地権相談所では、専門不動産会社として
その為、借地権(地上権含む)に関しての知識・経験共に業界内でも随一であると自負しております。
地上権は地主様の承諾なしで売却できますが、買主にとっては地代の負担や契約内容がわかりにくく、一般の市場では買い手が見つかりにくいこともあります。地上権の付いた土地・建物の売却をお考えの方は、借地権相談所が直接買い取ることも可能です。
地主様との人間関係の問題や相続に関する問題など、複雑な権利調整を必要とし、それ故トラブルも多く発生致します。地上権の直接買取・地主様との交渉業務など、ご相談・査定共に無料でお受けしておりますので、経験豊富な当社スタッフが迅速かつ
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地上権売却&譲渡に関する当社の業務の流れについて
1.「無料相談&お問い合わせ」
お問い合わせの時点で解決してしまうことも多くございますので、どんな些細なことでも、まずは現在地上権者様がお困りのことを率直にお電話、またはメールにてお伝えください。当社の借地権専門スタッフが迅速&丁寧にご対応させていただきます。
2.「ご提案」
ご相談を受けた後、調査が必要ならば無料にて当社の専門スタッフが対象物件を徹底的に調査し(調査費用等もいただきません)、借地権者様に最適、かつ有益な売買(譲渡)プランのご提案を差し上げます。
3.「ご依頼」
借地権者様が当社の提案するプランにご納得いただいた場合、ここで初めて正式に当社に問題解決の依頼を頂く形となります。同時に今後の解決に向けての手順等につきましても丁寧にお打ち合わせさせていただきます。
4.「交渉」
双方にとって有益で迅速な解決に向け、私どもが地主様と交渉を開始いたします。借地権者様の貴重な時間と手間をお掛けすることはございません。随時、状況を御報告させて頂き、借地権者様が安心して次のステップに臨めるよう全力で問題解決を目指します。
5.「解決」
借地権者様の意向をしっかりと受け止め、円満解決できるよう尽力致します。
地上権に関するよくある質問

- 地上権と借地権の違いは何ですか?

- 建物の所有を目的とする地上権は、借地権の一種です。ただし、一般に「借地権」と呼ばれるもののほとんどは賃借権です。地上権は物権なので、地主の承諾なしで売却や転貸ができ、地主には登記に協力する義務があり、地上権に抵当権を設定することもできます。賃借権は債権なので、売却や転貸には地主の承諾が必要です。

- 旧法地上権とは何ですか?

- 1992年8月1日に借地借家法が施行される前に設定された、建物の所有を目的とする地上権です。施行後も旧借地法のルールが適用され続け、存続期間は堅固建物30年以上・非堅固建物20年以上、更新後は堅固建物30年・非堅固建物20年となります。更新しても新法に切り替わることはありません。

- 地上権の存続期間はどのくらいですか?更新できますか?

- 建物の所有が目的の地上権は、新法(普通地上権)なら当初30年以上、更新後は1回目20年以上・2回目以降10年以上です。旧法地上権は堅固建物30年以上・非堅固建物20年以上です。どちらも更新でき、地主が更新を拒むには正当な事由が必要です。建物の所有を目的としない地上権は民法のルールで、期間は契約で自由に決められます。

- 地上権に地代はかかりますか?

- 地上権は無償でも設定できるため、地代の支払いは法律上の必須条件ではありません。ただし、実際には契約で地代を定めているケースがほとんどです。これに対し、賃借権は地代(賃料)の支払いが必須です。

- 地上権は地主の承諾なしで売却できますか?

- 売却できます。地上権は物権なので、地主の承諾なしで第三者に売却・譲渡したり、転貸したりできます。売却したときは、地上権の移転登記を行います。賃借権の場合は地主の承諾と譲渡承諾料が必要になるため、ここが大きな違いです。

- 自分の借地権が地上権か賃借権か、どうやって調べますか?

- 土地の登記簿(登記事項証明書)の権利部(乙区)に「地上権設定」の登記があるかを確認します。あわせて契約書のタイトルや条文が「地上権設定契約」か「土地賃貸借契約」かも確認しましょう。一戸建ての借地では、ほとんどが賃借権です。

- 地上権マンションとは何ですか?

- マンションの敷地を所有せず、地上権で利用しているマンションのことです。土地を所有するマンションより価格が抑えられる一方、地代がかかり、契約内容によっては期間満了時の扱いや解体の準備金を確認する必要があります。地上権なので、売却に地主の承諾は不要なのが一般的です。

- 法定地上権とは何ですか?

- 土地と建物を同じ人が所有していて、抵当権の実行(競売)によって土地と建物の所有者が別々になったときに、法律上当然に成立する地上権です(民法388条)。建物が土地を使えなくなるのを防ぐための制度で、期間は30年、地代は当事者の請求により裁判所が決めます。
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その他
記事監修
監修者:株式会社マーキュリー 取締役 大庭 辰夫
2011年4月に入社以来、借地権・底地などの権利関係が複雑な不動産を取り扱い数多くの借地権者様、地主様の問題を解決し、土地・戸建て・マンション
・商業ビルなどあらゆる不動産の再生を行ってきた。
また、弁護士との情報共有を頻繁に行い、借地権・底地の見識を日々深めている。2018年5月、取締役に就任。
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