【借地権の相続】
手続きの流れと
注意すべきポイントを解説

更新日:2026/10/02

借地権の相続のポイント(結論)

  • 借地権は相続できる:相続人が引き継ぐ場合、地主の承諾も名義変更料(承諾料)も不要です。契約内容もそのまま引き継がれます。
  • 一代限り・更地返還の要求:応じる義務はありません。「一代限り」の特約も、借地人に不利な特約として無効とされることが多いです。
  • 相続登記は義務:借地上の建物は、相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記が必要です(2024年4月から)。
  • 注意が必要なケース:相続人以外への遺贈、生前贈与、第三者への売却は地主の承諾が必要です。建物を壊して更地のまま放置するのも避けましょう。
  • 相続人が複数:共有は避け、1人が引き継ぐか、売却して代金を分けるのがおすすめです。

「借地権を相続することになったけど何に気を付けるべきなんだろう」こんなお悩みをお持ちではありませんか。
借地権の相続には思い違いをしやすいポイントが多いため、きちんと調べないまま進めると、後で思わぬトラブルを招いてしまうことがあります。
この記事では、借地権を相続するときの基本知識、注意点、手続きの流れをわかりやすく解説します。

こんなことでお困りではありませんか?

  • 親が亡くなり借地権を相続したら、地主から「承諾料を払ってほしい」と言われた。
    本当に払う必要があるの?

  • 相続人が兄弟3人いて、借地権をどう分けるか話し合いがまとまらない。
    このまま放置していいのか不安…

  • 相続した借地の建物が空き家になっている。
    解体して更地にしてもいいのか?売却できるのか?

  • 地主から「借地権は一代限りだから返してほしい」と言われたが、本当に返さないといけないの?

上記のようなお悩みをお持ちの方に向けて、借地権相続の基礎知識から、トラブルの対処法、手続きの流れまで網羅的に解説します。
ご自身のケースに当てはめながら読み進めてください。

【重要】2024年4月より相続登記が義務化されました

借地権を相続した場合、借地上の建物について相続登記を行うことが法律で義務付けられました。放置すると罰則の対象になる可能性があります。

相続を知った日から 3年以内 に登記が必要

期限までに登記しなかった場合、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。まだ登記が完了していない方はお早めにご対応ください。

簡易診断 あなたが確認すべき相続ポイントを調べる 3つの質問に答えるだけで、あなたの状況に応じた確認事項が表示されます。
1借地権の種類
旧法借地権 普通借地権 定期借地権 わからない
2相続人の人数
1人 複数人
3借地上の建物への居住予定
住む予定がある 売却を検討している 空き家のまま

⇵ 上の3つを選択すると、確認すべきポイントが表示されます

ピピッチ
ピピッチ
みなさん、こんにちは。
借地権相談所のピピッチです。
パパッチ
パパッチ
パパッチです。
今回は、「借地権を相続したときの手続きや注意点」について、わかりやすく話していくよ。
ピピッチ
ピピッチ
借地権を相続すると、
「地主さんに承諾料を払う必要があるの?」
「契約書を新しく作り直す必要はあるの?」
「相続登記はどうすればいいの?」
といった疑問が出てくることが多いです。
パパッチ
パパッチ
借地権は、土地を所有しているわけではないから、相続できるのか迷う人もいそうだね。
ピピッチ
ピピッチ
そうだね。
でも、借地権は相続の対象になる財産です。
今回は、相続時の基本、注意点、手続きの流れ、相続税評価額まで順番に解説していきます。
不安を感じたら、一人で抱え込まないでください。
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目次〔開く〕

借地権の相続とは

パパッチ
パパッチ
まず、借地権って相続できるの?
ピピッチ
ピピッチ
うん。
借地権は、土地を借りて建物を所有するための権利で、相続の対象になる財産だよ。
パパッチ
パパッチ
へえ。
でも相続人が複数いたり、定期借地権だったりすると話が変わってくるの?
ピピッチ
ピピッチ
そう、実はケースによって注意点がかなり違うんだ。
あなたの借地権はどのタイプか、確認しながら読んでみてね。

借地権の相続とは、借地権を持つ人(借地権者)が亡くなったときに、その借地権が相続人に引き継がれることをいいます。

借地権の相続でお悩みのお客様はたくさんいます。相続が「争族」になってしまっては元も子もありません。

相続人の方からご連絡をいただくときには、すでに話がこじれていることもあります。相続は「争族」になる前に専門家へご相談いただくことをおすすめします。

たとえば、次のようなお悩みがあります。

相続登記が曽祖父の代から未了のままで誰が相続人なのかわからない
法定相続人の意見がまとまらずお互いが感情的になってしまう
借地権を相続したけど持ち家があるため使用しない
相続したけど空き家のまま放置していて役所から連絡がきた(空き家対策特別措置法)
相続したが遠方のため管理が難しい
地主さんから借地権は一代限りなので借地を返してくださいと言われた
相続した時に地主さんに承諾料を求められた

借地権相続のお悩みの例

借地権相続のお悩みの例

借地権は相続の対象

借地権とは、建物を建てて所有する目的で、他人の土地を借りる権利のことです。
そのため、建物を建てずに駐車場や資材置き場として借りている土地は含まれません。

「借りている権利」と聞くと「相続の対象になるの?」と迷う方もいますが、借地権は立派な「相続の対象となる財産」です。

相続した借地権には、次のような特徴があります。

相続した借地権の特徴
●相続税の対象になる(評価額は「自用地評価額×借地権割合」)
●相続人が複数いる場合は、遺産分割協議の対象になる
●借地上の建物の相続登記が必要(2024年4月から義務)
●地主との借地契約は、そのまま相続人に引き継がれる

借地権は、被相続人が亡くなった時点で相続人に引き継がれます。手続きとしては、借地上の建物の相続登記をして、相続したことを地主に伝えるのが基本です。

地主との土地賃貸借契約を結び直す義務はありませんが、トラブル防止のために、契約書の名義を相続人に書き換えておくと安心です。

借地権の相続に名義変更料(譲渡承諾料)は不要

借地権を相続する際に、地主から承諾料を求められることがありますが、相続は譲渡ではありません。

相続人は亡くなった方の借地人としての立場をそのまま引き継ぐため、地主の承諾は不要で、承諾料を払う必要もありません。

借地権を相続する際の契約上のポイント
●相続に伴って契約書の名義を変更する義務はないが、トラブル防止のために名義を書き換えておくとよい
●相続は譲渡にあたらないため、譲渡承諾料(名義変更料)は発生しない
●既存の借地契約がそのまま相続人に引き継がれる

このように、これまでの契約内容がそのまま相続人に引き継がれます。

ただし、契約者が亡くなっていたことを後から知ると地主の心証がよくないため、相続したこと自体は早めに地主に伝えておきましょう。

まれに、相続をきっかけに地主が費用を請求したり契約内容の変更を求めたりすることもありますが、応じる義務はなく断ることができます。

ただし、個別の契約書に特別な定めがある場合はその内容が問題になるため、まずは今の契約がどうなっているかを正しく把握しておくことが大切です。

借地権相続時に土地賃貸借契約書は新たに締結したほうが良い?

借地権を相続した場合、相続人と地主の間で土地賃貸借契約書を新たに結び直す必要はありません。

相続人は、亡くなった方の権利と義務をそのまま引き継ぐからです。

ただし、土地賃貸借契約書を紛失している場合や、そもそも契約書がない場合は、この機会に作成しておくと後々のトラブル防止になります。

相続と遺贈の違い

相続と混同されやすい言葉に「遺贈」があります。

借地権の相続には譲渡承諾料(名義書換料)は必要ないとお伝えしましたが、相続人以外への遺贈の場合は違います。

相続人以外への遺贈は借地権の譲渡と同じ扱いになり、地主の承諾が必要です。承諾料を求められるのが一般的です。

2つの違いは次のとおりです。

相続と遺贈の違い
●相続とは亡くなった人の財産が、法定相続人に引き継がれること

●遺贈とは遺言によって、亡くなった人の財産を特定の人に譲ること(相続人以外の人にも譲れる)
借地権を引き継ぐ際の地主の承諾の要・不要
相続の場合 地主の承諾は不要。承諾料もかからない。
相続人以外への遺贈の場合 地主の承諾が必要。承諾料を求められるのが一般的。地主が承諾しない場合は、裁判所に承諾に代わる許可を求めることができる。
生前贈与の場合 譲渡にあたるため地主の承諾が必要。贈与税がかかることもある。

※注意事項
「借地人が亡くなった場合は、更地にして地主に返す」といった条項(いわゆる一代限りの特約)が契約書に入っている場合、すんなり相続できないことがあります。

ただし、こうした条項は借地人に不利な特約として無効とされることが多いため、まずは地主と話し合い、折り合いがつかない場合は弁護士などに相談しましょう。

また、借地上の建物が登記されておらず、亡くなった方と地主の間に契約書もない場合は、借地権の存在を証明するのが難しいことがあります。これまでの地代の支払い記録なども大切な証拠になります。

地主が借地権を認めないと言っている場合は、弁護士に相談してください。地主が借地権を認めている場合は、相続のタイミングで契約書を作成しておくことをおすすめします。

定期借地権の相続

旧法の借地権や普通借地権と同じく、定期借地権も相続の対象になります。

ただし、定期借地権には更新がなく、決められた存続期間(一般定期借地権は50年以上、事業用定期借地権は10年以上50年未満、建物譲渡特約付借地権は30年以上)が満了すると契約が終わります。

一般定期借地権・事業用定期借地権では、期間満了時に建物を取り壊して土地を返すのが原則で、建物の買い取りを地主に求めることもできません。

自分の借地権がどの種類かは、契約書で確認しましょう。定期借地権は公正証書などの書面で契約されているのが一般的です。→ 借地権の種類について

定期借地権の注意点

相続税について

借地権も相続税の対象です。相続税評価額は、国税庁が公表する路線価と借地権割合を使い、「自用地評価額×借地権割合」で計算します。

なお、生前贈与の場合は相続ではなく「贈与」の扱いになるため、地主への承諾料や贈与税がかかることがあるので注意が必要です。

→ 借地権価格と借地権割合について

相続が起こると、相続税の申告を行わなければなりません。相続税の期限については、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:相続税の期限はいつまで?10ヶ月の申告期限を過ぎたらどうなるか間に合わないときの対処法を紹介

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借地権相続で知っておくべき8つのポイント

パパッチ
パパッチ
借地権を相続するときに、特に注意することは何?
ピピッチ
ピピッチ
まず知っておきたいのは、相続の場合、地主さんへの名義変更料や譲渡承諾料は原則不要ということ。
でも『原則』には例外もあるんだ。
パパッチ
パパッチ
どんな場合に例外になるの?
ピピッチ
ピピッチ
それは契約書の内容や、相続なのか遺贈なのかによって変わってくるよ。
あなたの状況はどのケースに当てはまるかな?
パパッチ
パパッチ
自分のケースを確認しながら読んでみるね。

次は、借地権の相続をトラブルなく進めるために知っておきたいポイントを解説します。

注意点を知らずに進めてしまうと、「こんなはずではなかった」と後悔することになりかねません。この章でお伝えするのは、次の8つです。

借地権相続のポイント

借地権相続のポイント

借地権相続で知っておくべき8つのポイント

①相続人に名義変更料・承諾料の支払い義務はない

1章でもお伝えしたように、借地権を「相続」する場合は、名義変更料や承諾料などを払う義務はありません。
ただし、これはあくまで原則です。

過去の経緯などを理由に地主が承諾料などを求めてきた場合、「トラブルを避けるために払ったほうがいいのでは」と悩む方も多いと思います。

ご自身だけで判断できない場合は、「借地権相談所」へお気軽にご相談ください。

借地契約をした父が亡くなる

借地契約内容は、
そのまま相続人へと引き継がれる

ポイント

地主には、名義変更料などを支払う必要はない
以前の借地契約がそのまま相続人へ引き継がれる

【図1】 借地権の相続 - 基本的な考え方

②立ち退きや更新拒否に応じる義務はない

地主に「借地権を相続した」と連絡すると、それをきっかけに立ち退きを求められたり、契約の更新時に更新を断られたりすることがあります。

しかし、こうした要求に応じる義務はありません。

契約期間中に地主が一方的に契約を終わらせることはできず、期間満了時に更新を断るにも、それに見合う「正当の事由」が認められる必要があるためです。

借地人の権利は借地借家法で強く守られているため、相当の理由がなければ立ち退きや更新拒否が認められることはないと考えてよいでしょう。→ 借地権の更新と正当事由

③借地の建物の名義は相続人のものでなければならない

相続の際にうっかり起こりやすいのが、借地上の建物の名義を借地権を相続した人以外にしてしまうケースです。
たとえば、次のような例が考えられます。

●父名義の借地権。父が亡くなり母が借地権を相続したが、建物が古いためそのまま使えない。子どもの名義で住宅ローンを組み、子ども名義で建物を新築したい。

●相続した借地に建っている家を、そのまま子どもに譲りたい

このような場合でも、地主に断りなく子どもの名義で建物を新築したり、今の建物の名義を子どもに変えたりしてはいけません。

借地権は「その上に自分の建物を所有すること」を目的とした契約なので、「土地を借りている人」と「建物の所有者」は同じでなければならないからです。

借地の建物の名義は相続人のものでなければならない

借地の建物の名義は相続人のものでなければならない

これを知らずに、土地を借りている本人以外を建物の所有者にしてしまうと、「借地権を別の人に無断で譲った・又貸しした」とみなされ、借地契約を解除されるおそれがあります。

親と子の共有名義で建てる場合でも、地主の承諾が必要です。

建物を建ててからでは遅いので、十分注意しましょう。

④地代の値上げを要求される場合がある

立ち退きや更新拒否まではいかなくても、相続をきっかけに「地代の値上げ」を求められることは十分に考えられます。

理由のない値上げであれば応じる必要はありません。

ただし、固定資産税の上昇や地価の高騰などで「近所の地代と比べて安すぎる」といった正当な理由がある場合は、ある程度の値上げに応じる必要が出てくることもあります。

値上げを求められたら、根拠を書面で出してもらって内容を確認し、妥当かどうかを判断しましょう。話がまとまるまでも、地代の支払いは止めないでください。→ 地代の値上げを求められたときの対処法

⑤建物の建て替えに承諾が必要な場合がある

借地上の建物の建て替えや増改築に地主の許可が必要かどうかは、主に契約書の定めによって次のように変わります。

建物の建て替えに対する承諾の要・不要
●契約書に「増改築や建て替えの際は地主の承諾を得る」と書かれている場合→ 地主の承諾が必要(承諾料がかかるのが一般的)

●増改築について何も書かれていない場合→ 原則として承諾なしで建て替えできる。ただし、木造から鉄筋コンクリート造に変えるなど建物の種類を変える場合や、新法の借地権で期間満了が近い場合などは、承諾がないと不利になることがある

まずは契約書の内容を確認しましょう。

契約書に書かれていないからといって何も言わずに建て替えると、契約上は問題なくても、地主の心証を悪くしてしまうおそれがあります。

承諾が必須でない場合でも、事前に連絡しておくほうが後々のトラブル防止になります。地主が承諾しない場合は、裁判所に承諾に代わる許可を求める方法もあります。→ 建て替え・増改築の承諾料

⑥相続後に第三者へ売却することも可能

相続した借地権は、第三者に売却することもできます。
「借りている権利を売る」と聞くと違和感があるかもしれませんが、借地権は立派な財産なので、ほかの人に売ることができます。

たとえば、次のようなケースでは売却を検討することになるでしょう。

借地権の売却を検討するケース
●相続人が、借地上の建物に住む予定がない場合

●相続人が複数いて、借地権のままではうまく分けられないため、お金に換えたい場合

ただし、借地権の売却には地主の承諾が必要で、譲渡承諾料もかかります。

承諾を得ずに売却すると契約違反となり、借地契約を解除されるおそれがあるので注意しましょう。地主が承諾しない場合は、裁判所に承諾に代わる許可を求めることもできます。

第三者ではなく地主に買い取ってもらう方法もあります。
いずれにしても、売却を考えている場合は1人で進めず、専門家に相談しましょう。事前に相場を査定してもらうことで、適正な価格で交渉できます。

借地権の相続に伴う売却なら「借地権相談所」へご相談ください。

⑦建物を取り壊して更地のままにしない

借地権は「その土地の上に自分の建物を所有すること」を目的とした権利です。

そのため、使い道がないからといって建物を取り壊して更地のままにしたり、駐車場や資材置き場として使ったりするのは避けましょう。主な理由は次の2つです。

建物を取り壊して更地にするリスク
●借地権を第三者に主張できなくなるおそれ:借地権は、借地上の建物を自分の名義で登記していることで、地主が土地を売った場合などに新しい所有者にも主張できます。建物がなくなると、この効力を失うおそれがあります。

●契約違反になるおそれ:更地のまま駐車場などに使うと、「建物を所有する」という借地の目的に反するとして、契約を解除される原因になることがあります。

火事や地震などで建物がなくなってしまった場合も、借地権がすぐに消えるわけではありません。ただし、第三者への効力を保つには、土地の見やすい場所に、建物を特定する事項・なくなった日・建物を新しく建てる予定であることを掲示する必要があり、この効力は2年間に限られます。

空き家の管理が難しい場合は、取り壊す前に売却を検討するのがおすすめです。建物が残っているほうが、借地権を売りやすくなります。

⑧土地を無断で転貸してはいけない

相続した借地上の建物を「当面誰も住まないから人に使ってもらいたい」という場合は、「土地の転貸(又貸し)」にあたらないよう注意が必要です。

土地の転貸にあたるかどうかの判断ポイント
●建物の名義が土地を借りている本人のままで、建物を人に貸す場合 → 転貸にあたらない(建物の賃貸として認められる)

●建物の名義を別の人に変える場合 → 借地権の譲渡・転貸にあたり、地主の承諾が必要

借地権は「土地の上に建物を所有して使う権利」です。

そのため、建物の名義が「土地を借りている本人」である限りは、自分で住んでも人に貸しても、借地の「利用」の範囲と判断されます。

一方、③でお伝えしたように、親が土地の借主なのに子どもの名義で二世帯住宅を建てると、転貸にあたってしまいます。

「建物の名義人」と「土地を借りている人」は同じでなければならないことを覚えておきましょう。

借地権相談所へご相談いただくことをおすすめする理由
●借地権・底地専門として20年以上の実績がある不動産会社である

●当社は借地権の買取を積極的に行っており、地主様との交渉なども借地権者様に代わって行うことができる
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借地権相続の際によくあるトラブルと対処法

パパッチ
パパッチ
借地権の相続では、どんなトラブルが起きやすいの?
ピピッチ
ピピッチ
大きく分けると、相続人同士のトラブルと、地主さんとのトラブルの2種類があるよ。
パパッチ
パパッチ
どちらも起きそうだね。自分はどっちのリスクが高いんだろう。
ピピッチ
ピピッチ
それは相続人の人数や、借地上の建物をどうするかによって変わってくるんだ。
自分のケースに当てはまるトラブルを確認してみてね。

相続のトラブルは、地主との間だけで起きるわけではありません。
相続人が複数いる場合は、相続人どうしで揉めることもよくあります。

この章では、借地権の相続で相続人どうしに起こりやすいトラブルとして、次の3つを紹介します。

借地権相続の際によくあるトラブル
●建物の処理について意見が分かれる

●遺産分割協議の際に評価額でもめる

●共有で相続してしまう

建物の処理について意見が分かれる

1つ目は、「建物をどうするかで意見が分かれる」トラブルです。

借地権は現金と違って簡単に分けられない財産なので、「1人は住みたい、もう1人は売りたい」というように意見が分かれると、遺産分割がなかなか進みません。

その場合の基本的な対応方針は次のとおりです。

意見が分かれた場合の対応方針
●住みたい人とそうでない人がいる場合
→ 住みたい1人が借地権と建物を相続し、ほかの人には別の財産やお金(代償金)で調整する

●誰も住まない場合
→ 売却して、売却代金を分ける

注意したいのは、借地権と借地上の建物は、同じ相続人が相続しなければならないという点です。

「借地権は長男、建物は次男」のように分けると、土地を借りている人と建物の所有者が別になり、無断転貸とみなされて地主から契約を解除されるおそれがあります。

遺産分割協議の際に評価額でもめる

相続人のうち1人が建物に住み、ほかの人は住まない場合、借地権を相続しない人には、その分を別の財産で調整することになります。

不満が出ないようにするには、次の図のように全員が公平になるよう分ける必要があります。

相続財産が借地権付き建物と預金2,000万円の場合は、次のような分け方があります。

相続財産の分け方の例
相続財産の分け方の例

このとき揉めやすいのが、「借地権+建物」の価値をいくらと考えるかです。

相続する人はできるだけ安く評価したいと考え、それ以外の人は高く評価して自分の取り分を増やしたいと考えがちです。

お互いが納得するには、自分たちだけで金額を決めるのではなく、専門家に査定してもらうのが一番です。

その場では納得していても、後から「やっぱりおかしい」と言い出す人が出てくることもあるので、最初から不動産会社に適正な価値を査定してもらいましょう。

共有で相続してしまう

相続人が複数いると、借地権をうまく分けられずに困ることがあります。

そこで「とりあえず全員の共有にしておこう」と、その場しのぎの方法をとってしまうケースがあります。

しかし、共有は後々のトラブルのもとになるため、できるだけ避けるのがおすすめです。理由は次のとおりです。

共有で相続する場合のデメリット
●売却や建て替えなどに全員の同意が必要になるため、1人でも反対すると何もできない

●売却先が見つかっても、金額などの条件に1人でも納得しなければ売却できない

●次の相続で共有者がさらに増え、話し合いがますます難しくなる

このように、共有で相続すると全員の同意がなければ何も決められない状態になり、せっかくの財産が活用されないまま放置されることにもなりかねません。

相続人が複数いる場合でも、安易に「共有」にするのは避けましょう。

専門家に価値を査定してもらったうえで売却して現金化し、売却代金を分ける方法が、もっともトラブルになりにくくおすすめです。

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借地権相続の手続きの流れ

【重要】2024年4月より相続登記が義務化されました

借地権を相続した場合、借地上の建物について相続登記を行うことが法律で義務付けられました。放置すると罰則の対象になる可能性があります。

相続を知った日から 3年以内 に登記が必要

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パパッチ
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実際に借地権を相続するときは、何から進めればいいの?
ピピッチ
ピピッチ
やることは大きく2つあるんだけど、順番を間違えるとトラブルになることもあるんだ。
パパッチ
パパッチ
順番が大事なんだね。どんな点に気をつければいいの?
ピピッチ
ピピッチ
特に2024年4月からルールが変わった部分があって、知らないと後で困るケースがあるよ。詳しく見ていこう。

ここからは、実際に借地権を相続するときの手続きの流れを解説します。
借地権の相続でやることは、大きく分けると次の2つです。

借地権相続の際にやること
●地主に連絡する

●借地上の建物の相続登記(名義変更)をする

地主に連絡する

最終的に誰が相続するか決まったら地主に伝える必要がありますが、まずは亡くなった時点で相続が発生したことを連絡しておくとよいでしょう。

亡くなってから相続の手続きが終わるまでには時間がかかることも多く、その間の地代の支払いをどうするかなどを、あらかじめ話し合っておく必要があるためです。

その後、手続きが終わって相続人が決まったら、あらためて詳細を連絡しましょう。

借地上の建物の相続登記をする

次に、名義変更(相続登記)の手続きについて解説します。
手順は次のとおりです。

名義変更をする際の手順
●登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する

●必要書類をそろえて法務局に相続登記を申請する
①登記事項証明書(登記簿謄本)を取得する

まずは登記事項証明書を取得し、名義変更の対象となる建物の内容を確認します。

借地上の建物が借地人の名義で登記されていれば、地主が土地を売った場合などでも、新しい所有者に借地権を主張できます。これを対抗要件といいます。

借地権が土地の賃借権の場合、地主には賃借権を登記する義務がないため、借地上の建物を土地を借りている人と同じ名義で登記しておくことが大切です。

なお、借地権(賃借権)そのものが登記されている場合は、「賃借権」と「借地上の建物」の両方の名義変更が必要です。まれなケースですが、念のため確認しておきましょう。

借地権の相続登記
借地権の相続登記

また、2024年(令和6年)4月から相続登記が義務化され、相続で不動産を取得したことを知った日(遺産分割で取得した場合は遺産分割が成立した日)から3年以内に相続登記をしなければなりません。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。2024年4月より前の相続も対象で、2027年3月31日までに登記が必要です。

②必要書類をそろえて法務局に相続登記を申請する

必要な書類をそろえて、建物の所在地を管轄する法務局に相続登記を申請します。
申請の方法は次のとおりです。

法務局への登記申請の方法
●法務局の窓口で申請

●法務局へ必要書類を郵送して申請

●オンラインで申請

法務局の窓口が開いている時間に行けない場合は、郵送やオンラインを使うとよいでしょう。

オンラインで申請する場合は、こちらのページから申請用総合ソフトをインストールして手続きを進めます。

ただしオンラインは手続きがやや複雑で、書類に間違いがあってもその場ですぐに直せないため、不安な方は窓口で相談しながら進めるとよいでしょう。

必要な書類には、主に次のようなものがあります。

相続登記に必要な主な書類
●登記申請書

●亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本

●相続人全員の現在の戸籍謄本

●亡くなった方の住民票の除票または戸籍の附票

●建物を相続する人の住民票または戸籍の附票

●遺産分割協議書または遺言書

●相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書を作成する場合)

●固定資産税評価証明書

「登記申請書」は、法務局のホームページ「不動産登記の申請書様式について」からひな形をダウンロードして作成できます。

「戸籍謄本」「住民票」「印鑑証明書」などは、市区町村の役所で取得できます。

「遺産分割協議書」は、相続人全員が遺産の分け方に同意したことを示す書類です。決まった形式はありませんが、どの不動産を誰が取得したのか、誰が見てもわかるように書いておきましょう。

「固定資産税評価証明書」は、不動産の評価額や所有者などを証明する書類で、不動産がある市区町村の役所(東京23区は都税事務所)で取得できます。

法務局への申請は、内容に間違いがあると受理されなかったり、後で修正が必要になって二度手間になったりします。慣れていない場合は、司法書士に依頼して代わりに手続きしてもらうのがおすすめです。

「誰に何を頼めばいいかわからない」という場合は、まずは「借地権相談所」へご相談ください。お客様の状況に合わせて、最適な方法をご提案します。

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相続税評価額の計算

パパッチ
パパッチ
借地権を相続したら、相続税も関係するんだよね。
ピピッチ
ピピッチ
そう。
借地権は相続財産だから相続税の対象になるよ。金額によっては思ったより高くなることもあるんだ。
パパッチ
パパッチ
自分の借地権がいくらになるか、計算できるの?
ピピッチ
ピピッチ
できるよ。
ただ借地権の種類や土地の場所によって計算方法が違うから、自分のケースを確認してみてね。

次に確認しておきたいのが、相続税の計算に必要な「借地権の相続税評価額」です。

相続税は「借地権の分はいくら」「預貯金の分はいくら」と分けて計算するのではなく、すべての相続財産の評価額を合計し、その総額に対して計算します。

相続税評価額の計算
相続税評価額の計算

借地権の相続税評価額は、次の式で計算します。

借地権の相続税評価額の算出方法
●借地権の相続税評価額(旧法の借地権・普通借地権の場合) = 自用地の評価額 × 借地権割合

自用地とは、「ほかの人が使う権利のない、自分で使う土地」のことです。
自用地の評価額は、次の方法で計算します。

自用地の評価額の計算方法
●路線価地域の場合(主に市街地):路線価 × 土地の面積(土地の形などによる補正あり)

●倍率地域の場合(主に郊外):固定資産税評価額 × 倍率

借りている土地が「路線価地域」と「倍率地域」のどちらにあたるか、具体的な数値はいくらかは、国税庁「路線価図・評価倍率表」で確認できます。

「借地権割合」とは、土地の価値のうち借地権が占める割合です。

一般的に、都市部など地価の高い地域ほど借地権割合も高くなり、東京の商業地では80〜90%、住宅地では60〜70%程度が目安です。借地権割合も、路線価図で確認できます。

借地権の相続税評価額の計算例は、次のとおりです。

借地権の相続税評価額の計算例
●自用地の評価額が1,000万円・借地権割合が70%の場合
→ 1,000万円 × 70% = 700万円

この例では、700万円が相続税を計算するときの借地権の評価額になります。
相続税の申告・納付は、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に行う必要があります。

亡くなった方が住んでいた借地なら、要件を満たせば小規模宅地等の特例で評価額を最大80%減らせることもあります。くわしくは「借地権の相続税評価額の計算方法」のページをご覧ください。

相続した借地権の売却も
お任せください!

相続した借地権は、第三者に売却することができます。
相続人が借地上の建物に住む予定がない場合や、相続人が複数いて売却代金を分けたい場合などです。ただし、第三者への売却には地主の承諾が必要で、地主との条件交渉も含めて買い取ってくれる業者は多くありません。
当社は借地権の買取を積極的に行っており、地主様との交渉なども借地権者様に代わって行います。
相続した借地権の売却をお考えの方は、ぜひ一度当社にご相談ください。
→ 借地権の売買について

不安を感じたら、一人で抱え込まないでください。
  • 相談・査定 完全無料
  • 査定エリア:都内23区
借地権の専門家が、あなたの状況とエリアに合わせた査定・アドバイスを無料でお伝えします。まずはお気軽にご連絡ください。

相続時におけるご相談事例

地主側も相続により代替わりしている。これまでの借地契約内容は、どうなるのか?
地主側・借地人側の双方が相続などで代替わりしている場合は、まず立場をはっきりさせるため、誰が地代を振り込むのか、地代の受け取り先は誰なのか、それぞれの代表者を決めておくとよいでしょう。
代替わりのタイミングで、地主側の相続人から「これまでの借地契約を破棄したい」と言われても、応じる必要はありません。先代の借地契約の内容が、そのまま相続人に引き継がれます。
借地上の建物が未登記で、相続人が複数おり現在は共有している状態だが、売却はできるのか?
相続人が複数いる場合、次の代替わりで相続人がさらに増え、後々トラブルになる可能性があります。
遺産分割協議などで、誰が借地権を相続するのかをはっきりさせておくのがおすすめです。建物が未登記の場合は、当社で役所調査なども行い、借地権としての権利を主張できるかどうかを確認しますので、まずはお気軽にご相談ください。

借地権の相続 よくある質問

Q
借地権は相続できますか?地主への承諾料は必要ですか?
A
相続できます。相続人が引き継ぐ場合、地主の承諾も名義書換料(承諾料)も必要ありません。契約内容もそのまま引き継がれます。ただし、生前贈与や相続人以外への遺贈の場合は、地主の承諾が必要です。
Q
地主側も相続で代替わりしましたが、これまでの借地契約はどうなりますか?
A
先代の借地契約の内容が、そのまま相続人に引き継がれます。ただし、お互いに契約の細かい内容を把握していなかったり、代表者が誰かあいまいになったりしやすいため、地代を払う人、振込先、それぞれの代表者を確認しておきましょう。
Q
借地上の建物が未登記で、相続人が複数で共有しています。売却はできますか?
A
まず、借地権としての権利を主張できるか確認する必要があります。建物が未登記だと、地主が土地を売った場合などに新しい所有者へ借地権を主張できないおそれがあるためです。また、共有のままだと売却に全員の同意が必要になるため、遺産分割協議で相続する人を決め、相続登記をしておくことをおすすめします。
Q
地主から「借地権は一代限りだから返してほしい」と言われました。返さないといけませんか?
A
相続人は借地権を相続できるため、返す必要はありません。契約書に「一代限りで明け渡す」といった特約がある場合でも、借地人に不利な特約として無効とされることが多いですが、事情によっては争いになることもあります。特約がある場合は弁護士に相談することをおすすめします。
Q
借地権だけを相続放棄することはできますか?
A
借地権だけを放棄することはできません。相続放棄をすると、預貯金なども含めてすべての財産を相続できなくなります。借地権がいらない場合は、相続したうえで売却する方法もあります。相続放棄は、相続を知った日から3か月以内に家庭裁判所で手続きします。
Q
相続した借地の建物を取り壊して更地にしてもいいですか?
A
おすすめしません。建物がなくなると、地主が土地を売った場合などに新しい所有者へ借地権を主張できなくなるおそれがあり、更地のまま駐車場などに使うと契約違反になることもあります。使う予定がない場合は、建物があるうちに売却を検討しましょう。

このページを読んだ次のステップ

1
STEP 1 相続人を確認・整理する 誰が借地権を引き継ぐのかを相続人全員で話し合いましょう。
複数の相続人がいる場合は、誰か1人が引き継ぐ形を早めに決めることでその後の手続きがスムーズになります。
共有での相続はトラブルのもとになるため避けることをおすすめします。
2
STEP 2 ⚠ 義務・期限あり 名義変更登記を進める 2024年4月より相続登記が義務化されました。
相続を知った日から3年以内に借地上の建物の名義変更登記を行う必要があります。
放置すると10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
お早めに手続きを進めてください。
3
STEP 3 不安なことは専門家に無料相談する 「地主との交渉が不安」
「相続人同士で揉めている」
「売却を検討したい」など、一人で抱え込まずお気軽にご相談ください。
相談・査定は完全無料です。
相談・査定 完全無料 / 査定エリア:都内23区 / 借地権専門 20年の実績

記事監修

監修者大庭辰夫 監修者大庭辰夫

監修者:株式会社マーキュリー 取締役 大庭 辰夫
2011年4月に入社以来、借地権・底地などの権利関係が複雑な不動産を取り扱い数多くの借地権者様、地主様の問題を解決し、土地・戸建て・マンション ・商業ビルなどあらゆる不動産の再生を行ってきた。
また、弁護士との情報共有を頻繁に行い、借地権・底地の見識を日々深めている。2018年5月、取締役に就任。

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