【借地権の更新】
更新料の相場と支払い義務、
更新期間をわかりやすく解説
更新日:2026/10/01
借地権の更新のポイント(結論)
- 更新できる?:旧法の借地権・普通借地権は、借地人が希望すれば原則更新されます。地主が更新を断るには正当の事由が必要です。定期借地権は更新されません。
- 更新料の相場:法律上の決まりはありませんが、更地価格の5%程度が目安とされています(更地価格3,000万円なら150万円程度)。
- 支払い義務:法律で払う義務は定められていません。ただし、契約書に更新料の定めがある場合や支払いの合意がある場合は払う必要があり、払わないと契約を解除されるおそれがあります。
- 更新後の期間:旧法は堅固な建物30年・それ以外20年、新法(普通借地権)は1回目20年・2回目以降10年(これより長い期間の合意は可)。
- 旧法から新法への切り替え:更新しても旧法のままです。切り替えには借地人の合意が必要で、応じる義務はありません。
借地権相談所のピピッチです。
今回は、「借地権の更新」について、わかりやすく話していくよ。
「このまま住み続けられるの?」
「地主さんから更新料を請求されたけど、払わないといけないの?」
「旧法と新法で何が違うの?」
といった疑問が出てくることが多いです。
更新できるかどうか、更新料、更新後の期間は、借地権の種類や契約内容によって変わります。
今回は、借地権の更新で押さえておきたいポイントを順番に解説していきます。
更新料の請求や更新の手続きでお困りの方へ。
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目次〔開く〕
借地権の更新とは?更新できる条件
旧法の借地権や普通借地権では、契約期間が満了しても、一定の条件のもとで更新できるんだ。
ただし、地主さんが更新を拒否するには、正当の事由が必要になるんだ。
借地人さんがその土地の上の建物に住んでいたり、生活や事業の拠点にしていたりする場合、簡単に更新を拒否されるわけではないよ。
定期借地権や建物譲渡特約付借地権などは、契約期間が満了すると終了するタイプの借地権だよ。
普通借地権のように更新が前提ではないから、まず自分の契約がどの種類なのか確認することが大切なんだ。
借地権の更新のルールは、1992年7月31日までに結ばれた契約に適用される「(以下、)」と、1992年8月1日以降の契約に適用される「(以下、)」で異なります。
旧法の借地権と新法の普通借地権は、期間が満了しても、次のいずれかにあたれば
- ・
- ・
- ・(新法では建物があることが条件)
2つ目と3つ目のように、合意がなくても法律によって更新されることをといいます。地主がこれを止めるには、が必要です。
実務では、地主が更新に異議を述べない代わりに、借地人に更新料を求め、更新契約書を取り交わす「合意更新」が多く行われています。
一方、新法のします。→ 旧法と新法の違い
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借地権の種類
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旧法の借地権 (平成4年7月31日までに設定されたもの) |
借地借家法による借地権 | ||||
| (平成4年8月1日以降に設定されたもの) | (平成4年8月1日以降、平成19年12月31日までに設定されたもの) | (平成20年1月1日以降に設定されたもの) | ||||
| 普通借地権 |
一般定期借地権 借地権の存続期間を50年以上として
特約は公正証書などの書面(または電磁的記録)で定めることが必要 |
建物譲渡特約付借地権 借地権設定後30年以上を経過した日に借地上の建物を相当の対価で地主に譲渡する旨の特約を定めたもの。 建物の譲渡により借地権は消滅する。 |
事業用借地権 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、存続期間を10年以上20年以下としたもの。
契約は公正証書によらなければならない。 |
事業用定期借地権 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、存続期間を10年以上50年未満としたもの。 (ア)10年以上30年未満の期間を設定した契約については
(イ)30年以上50年未満の期間を設定した契約については、上記①②③を適用しない旨の特約を定めた場合に適用されない。 (ウ)(ア)及び(イ)の契約は必ず公正証書によらなければならない。 |
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存続期間
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【期間の定めがある場合】 堅固な建物(コンクリート造など)は30年以上、その他の建物(木造など)は20年以上。これより短い期間を定めた場合は、期間の定めがないものとみなされる。 【期間の定めがない場合】 堅固な建物は60年、その他の建物は30年。 |
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50年以上 | 30年以上 | 10年以上20年以下 | 10年以上50年未満 |
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更新
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期間満了により借地権は消滅するのが原則だが、以下のいずれかに該当するときは更新される。 | 更新はなく、借地権は期間満了とともに消滅する。 | 借地上の建物を地主に譲渡することで、更新することなく借地権は消滅する。 ただし、借地権の消滅後も借地権者などが建物の使用を続けているときは、その請求により、地主との間で建物の賃貸借(借家契約)がされたものとみなされる。 |
更新はなく、借地権は期間満了とともに消滅する。 | 10年以上30年未満の期間を設定した契約は更新がなく、借地権は期間満了とともに消滅する。 30年以上50年未満の期間を設定した契約は、契約の更新に関する規定を適用しない旨の特約を定めたときは更新がなく、期間満了とともに消滅する。 |
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| ただし、②の更新請求や③の使用継続があった場合でも、地主が遅滞なく正当の事由(注)のある異議を述べた場合には更新されない。 | ||||||
| 更新後の期間 | ||||||
| 堅固な建物は30年、それ以外は20年 | 最初の更新は20年、2回目以降の更新は10年 | |||||
| なお、当事者間で上記の期間より長い期間を定めた場合にはその期間となる。 | ||||||
借地人の更新請求や使用継続に対して地主が異議を述べるには、「正当の事由」が必要です。
旧法は正当の事由を「土地所有者が自ら土地を使用することを必要とする場合その他正当の事由」と大まかに定めていましたが、新法(借地借家法6条)では考慮する要素を次のように具体的に定めています。
1. 地主と借地人のそれぞれが土地の使用を必要とする事情
2. 借地に関するこれまでの経過
3. 土地の利用状況
4. 地主が土地の明け渡しと引き換えに借地人へ財産上の給付をする申し出(立退料)
1を中心に、2〜4を総合的に考えて判断されます。借地人がその建物に住んでいる場合などは、地主に土地を使う強い必要があり、さらに相応の立退料を払う場合でなければ、更新の拒絶が認められるのは簡単ではありません。
また、更新されずに借地権が終わる場合、借地人は地主に。
地主さんから「更新しない」「出て行ってほしい」と言われた方へ。
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更新料の支払い義務|払わないとどうなる?
更新料って必ず払わないといけないの?
じゃあ、地主さんから請求されても払わなくていいの?
たとえば、土地賃貸借契約書に更新料の条項がある場合や、地主さんと借地人さんの間で支払いの合意がある場合は、払う必要があるんだ。
払わないと、契約を解除されるおそれもあるよ。
「請求されたからすぐ払う」でもなく、「法律にないから払わない」でもなく、まず契約書と過去の経緯を確認することが大切なんだ。
借地権の更新料を払う義務は、。判例でも、更新料を払う慣習があるというだけでは、支払い義務は生じないとされています。
ただし、次のような場合はので注意が必要です。
- ・(金額や計算方法が具体的に書かれている)
- ・契約書になくても、
- ・、払うことが前提になっている
支払いの約束があるのに払わない場合、。
一方、契約書に定めがなく、合意もない場合は、払わなくても法定更新によって契約は続きます。ただし、地主との関係が悪くなると、将来の建て替えや売却の承諾で話し合いが難しくなることもあります。金額に納得できない場合は、払わないと決める前に、相場をもとに減額の交渉をするのがおすすめです。
借地権の更新料の相場と計算例
ただ、慣習上は、更地価格の5%程度が目安とされることが多いんだ。
たとえば、更地価格が3,000万円なら、5%で150万円程度が目安になるよ。
ただし、これはあくまで目安。
実際には、地域性、契約内容、過去の支払い実績、地主さんとの関係によって変わるよ。
高額な更新料を請求されたら、すぐに判断せず、相場や契約内容と照らし合わせるのが大切なんだ。
更新料の金額をめぐって、地主と借地人が揉めるケースはよくあります。
| 更地価格 | 更新料の目安(5%程度) |
|---|---|
| 2,000万円 | 100万円程度 |
| 3,000万円 | 150万円程度 |
| 5,000万円 | 250万円程度 |
更地価格は、路線価(国税庁)や公示地価、周辺の取引事例などから考えます。路線価は時価の8割程度が目安とされるため、「路線価 × 面積 ÷ 0.8」でおおよその更地価格がわかります。
※あくまで目安であり、実際の金額は契約内容や土地の条件によって異なります。→ 借地権割合と借地権価格の計算方法
地主さんから請求された更新料が妥当か知りたい方へ。
相場をもとに無料でアドバイスします。
旧法の借地権の更新後の期間
非堅固建物は木造などの建物かな。
旧法では、更新後の期間は、非堅固建物が20年、堅固建物が30年だよ。
これより長い期間を合意で決めることもできるんだ。
旧法の借地権は、契約した時期や建物の構造によって扱いが変わるから、契約書と建物の種類を確認することが大切だよ。
【旧法の更新後の期間】
旧法では、建物が堅固か非堅固かで更新後の期間が違います。
は、はです。当事者がこれより長い期間を合意した場合は、その期間になります。
なお、「期間の定めがない場合は堅固60年・非堅固30年」というのは、のルールです。更新後の期間とは異なるので注意しましょう。
旧法の借地権は、更新しても新法に切り替わることはなく、続きます。
新法(普通借地権)の更新後の期間
普通借地権では、最初の更新後の期間は20年以上、2回目以降の更新後の期間は10年以上とされているんだ。
たとえば、最初の更新で25年や40年と定めることはできるけど、10年や15年のように20年より短い期間を定めても、借地人さんに不利な特約として無効になって、20年になるよ。
借地権は借地人さんの生活や建物利用に関わるから、法律上、一定の期間が確保されているんだ。
新法の普通借地権では、更新後の期間は最初の契約期間がそのまま繰り返されるのではなく、が定められています。建物が堅固か非堅固かによる違いはありません。
| 更新の回数 | 定めがない場合 | 合意で定める場合 | 短い期間を定めた場合 |
|---|---|---|---|
| 1回目の更新 | 20年 | 20年以上(25年、40年などは有効) | 10年・15年などは無効となり20年 |
| 2回目以降の更新 | 10年 | 10年以上(15年、22年などは有効) | 3年・7年などは無効となり10年 |
法律より短い期間の定めは、になり、法律で決まった期間が適用されます(借地借家法4条・9条)。
更新の手続きと注意点
1. 契約書を確認する
期間満了の時期、更新料の定め、更新後の期間、地代の改定方法などを確認します。旧法の契約か新法の契約か、普通借地権か定期借地権かもここで確認しましょう。
2. 地主と更新の条件を話し合う
更新料の金額や支払い時期、更新後の期間、地代の見直しなどを話し合います。更新のタイミングで地代の値上げを求められることもあります。→ 地代の値上げを求められたときの対処法
3. 更新契約書(合意書)を取り交わす
合意した内容は必ず書面に残しましょう。は特に注意が必要です。借地人に不利になることが多いため、内容がよくわからないまま署名しないようにしましょう。
4. 話し合いがまとまらない場合
合意できなくても、建物があり借地人が使い続けていれば、地主に正当の事由がない限りされます。その場合も、地代は払い続けましょう。地主が受け取らない場合は法務局に供託します。


